福岡県PTA連合会機関誌/平成31年3月号から「中国に行って来ました/NO.90」
 今年のお正月も中国で過ごしました。青島まで飛行機、そこから新幹線に乗り換えて2時間で山東省の_博(しはく)です。_博は春秋戦国時代に繁栄した斉の国の首都があったところで、陶磁器と絹織物の里でもあります。経済発展が目覚ましい中国、素晴らしく近代的な高級ホテルに泊まりました。・・と言いたいのですが、そこは貧乏性の私、ローカルの朝食付き一泊、3000円程度のホテルを選びました。

 ところが次の日の早朝に廊下で大きな破裂音! 飛び起きてドアを開けると数人の男性が隣の部屋のドアを大声で怒鳴りながら激しくノックしています。

 ドキドキしながら目を凝らすと一人の男性が晴れ着を着て花束を持っています??・・。友人の説明によると結婚式の日の儀式なのだそうです。花婿がドアの隙間からお金を差し込み、「金額が足りないから出て行けない」「ではもう帰るぞ」等々のやり取りの後、無事にドアが開き美しい花嫁さんが現れました。私は大急ぎで自分の部屋に戻りお土産に準備していた化粧品の色々を小さな袋に入れて花嫁さんに手渡しました。こぼれるような花の笑顔。星付きの高級ホテルだったら廊下で爆竹なんて有り得ない事でした。今年も始まりからラッキーです。

 今回の旅も同行した中国の友人の知り合いとの宴会の日々でした。「遠くから友人が・・では一緒に楽しもう」そんな雰囲気なのでこちらも遠慮しません。楽しい思いをするチャンスがあるなら逃さず楽しもう!この考え方が好きです。

 初対面どうしでも会話が途切れません。延々と会話が続くのは中国の方の話好きのたまもの。「美しい奥様とハンサムなご主人の末永い健康を願って乾杯」食事の合間にさまざまな理由を見つけては盃をあわせます。

 私は言いました。「日本にいらしたら負けないくらいのおもてなしをしますが、美しい奥様とかハンサムな・・なんて恥ずかしくて私には言えないと思うからごめんなさい」相手の方は何食わぬ顔で「習慣的に言っているだけなのでどうぞ気になさらないでください」席に笑い声が満ちました。その時にテーブルの上にあったのは果物のドリアンのチーズ焼き。この時の笑いとこの料理の濃厚なおいしさはずっと忘れることはないでしょう。

 食べ物だけでなく風習や表現の違いを知ることがこんなに楽しいなんて。子ども達が大人になるころはもっとさまざまな国との交流が深まるでしょう。そうなることを願いながら今年の仕事の一歩を踏み出しました。

福岡県PTA連合会機関誌/平成31年1月号から「簡単で温かい鍋物/NO.89」
 「1時間かかる料理を15分で作る裏技教えて下さい」とTV局からの仕事依頼。
 少し考えましたが思いつきません。今、特別な工夫・・つまり裏技を使っての簡単料理が流行のようですね。しかし普段の料理に特別なテクニックって必要でしょうか?15分もあれば普通に準備できる簡単な料理はあると思うのです。

 今回は私が繰り返し作る簡単な鍋物をお伝えしますね。

「豚肉とレタスのシャブシャブ」
だし6カップに薄口しょうゆを大さじ2、酒とみりんを大さじ1杯づつ、塩小さじ1で味つけして鍋に準備します。豚肉の薄切りをまずシャブシャブして続いてレタスを加えながらいただきます。

 準備するのはだしを合わせるのとレタスを大きく切ることだけです。豚肉は少し脂があって薄い方がおいしいです。レタスは色をきれいに上げるため、必ずだしが沸騰している中に入れましょう。好みで大人はポン酢で味を加えてください。残りの煮汁に、ご飯を入れて卵でとじてぜひおじやに!

「北九州風もつ鍋」
 モツで作る鍋ですが、牛や鶏、豚など好みの肉で良いのです。数種の肉を混ぜて使ってもおいしいです。お肉に適量の焼肉のタレを絡めておきます。

 すき焼き鍋にゴマ油を大さじ1程度入れてまず味を付けた肉を乗せます。その上にキャベツを3センチ角に切った物をこれでもかと山盛りに積み上げます。あればニラも5㌢の長さに切り上に乗せておきます。その上から好みの焼肉のタレをタラリ。中火の火にかけてしばらく煮ます。ぐつぐつ煮えて少しキャベツの高さが低くなったら軽く混ぜて、キャベツが好みの堅さになったらいただきます。

 焼肉のタレの量で味は調節して下さい。残っただしの中にチャンポン麺を煮ていただくのが私は好きです。

 忙しいときはこれだけで十分。たんぱく質とお野菜はしっかり取れます。
 「もつ鍋」の残っただしは次の日も使えますが「シャブシャブ」だしはアクが強くなっておいしくなくなるのが不思議です。

 キャベツはアブラナ科の植物でレタスはキク科の植物だからでしょうか。レタスは柔らかでいかにも優しそうな色合いなのに、なかなか根性があるお野菜なのだなーと気づきますよ。

 楽しくお喋りしながら食べ終わったら、皆でお片づけお願いしますね。お茶碗を流しに運んでもらえるだけで、とても大人は助かるのです。

福岡県PTA連合会機関誌/平成30年11月号から「台所では安全の習慣を/NO.88」
 FBS福岡放送のめんたいワイドでご一緒する福岡よしもとのマサルさん大好きです。ヘルメット姿での「足元よーし」は何度見ても笑ってしまいます。マサルさん、解体の仕事をしていたとおっしゃるのは裏が取れていませんが(笑)作業服での安全確認動作になぜか癒されるのです。

 指を指して安全を確認する動作は指差喚呼(ゆびさしかんこ)と言って旧国鉄によって始められたのだそうです。

 ちなみに鉄鋼業界は「おはようございます。こんにちわ。こんばんわ」全てのあいさつが「ご安全に」です。

 私たちも家族を送り出すときは「行ってらっしゃい」に添えて「気をつけてね」を忘れません。

 私も料理教室の日は朝から緊張しています。水、火、刃物を使って多勢の方達と作業をするのですから。

 料理教室の日はけがなどをしませんようにと心で祈りながら出かけます。スタッフにも同じ気持ちでいてほしいので言葉で細かく安全を伝えます。

床に水がこぼれていたり、野菜クズが落ちていたらすぐに拭くなり拾うなりしましょう。
  包丁は生徒さんの方に刃を向けずに置きましょう。
  揚げ物のときは必ずスタッフが横についていてね。
  熱いお鍋などを移動するときは「熱いもの通ります」と大きな声をかけて。
  オーブンを使った後はすぐに熱い天板に水をかけ冷します(天板の裏側に水道水をかけるとあっという間に冷えます)。
  電磁調理器など使い終わっても熱いので特に注意を促すか、スイッチを切って鍋などを置いておきましょう。
  配膳の時にも汁物やお茶などは「熱いです」と伝えて。

 家庭でも同じです。言葉で伝えあって安全を確認しながら楽しく料理をしていただきたいと思います。子どもたちに安全の習慣づけができることはとても大切です。

 台所では同じところに道具がしまわれている。ガス台や電磁調理器の回りがきれいに片付いている。足元に物が出しっぱなしになっていない。安全のためには整理整頓も大切です。片付け下手な私にも耳が痛いことなのですが・・

 親の「気をつけて!」をうっとうしがる年齢の子ども達もいそうですが、言葉は「祈り」でもあるのですからやめられませんね。

福岡県PTA連合会機関誌/平成30年9月号から「植物だって戦っている/NO.87」
 自分や大切な人の命が危険にさらされたらどうしますか。考えただけでも怖いです。だからこそ人間は身を守るための道具やシステムを持っているのです。それどころか戦うための恐ろしい武器まで発明してしまいました。他の生き物たちもそれぞれに命を守り種を残すための手段を本能として持っています。

 では植物はどうでしょう。静かに定まった場所から根を張りツルを伸ばして葉をそよがせたり、美しい花を咲かせたりしているだけでしょうか。そうではないことを皆さんもご存知ですね。昆虫やほ乳類、草食恐竜からも身を守るために、とげや堅い殻や厚い表皮、においや、苦み、酸味、辛み、エグミなどを持っているのです。

 現在人間が使う毒物のほとんどは植物由来。その中から病気を治す物質も数多く取り出されています。

 少し怖くなりましたか?でも大丈夫です。人間は長い経験の中から毒になる物、安全な物をより分けてきました。品種改良を重ねておいしく安全な野菜に育てました。この夏も暑さに負けないようたくさんの野菜を料理しましょう。

 さて安心させておいてここからが本題です。安全とは言いながら植物もなかなかしぶといのです。ジャガイモの芽や緑色になった部分には毒性があるので、えぐりとったり厚く皮をむいたりして使いましょう。生シイタケもそのまま食べるのはダメです。皮膚炎になることがあります。椎茸などのキノコは基本的にちゃんと火を通しましょう。マッシュルームは生でもOKですがあまり美味しくありませんね。バーベキューのシーズンになるとちゃんと焼けてない椎茸を食べて来院する方が増えると皮膚科の先生がおっしゃいます。

 それからリンゴ・サクランボ・モモ・アンズなどの種は食べてはいけません。カシューナッツやアーモンドなどのナッツも生ではお勧めしません。モロヘイヤの実も毒を含みます。葉はおいしくて身体に良いのでうっかりしがちですが気をつけましょう。野菜のアクや渋みも身体に良いとおっしゃる方もいますが、子どもさんにはやはりアク抜きをきちんとして食べさせたいと私は思っています。

 50年料理家をしてそれなりに植物について勉強してきましたが、植物はなかなか一筋縄ではいきません。皆さんもネットや図書館で調べてみてくださいね。安全や健康のためにはやはり知識は必要です。

 夫が「パクチーあったよ」と好物を買って来てくれました。手に取るとそれは茎が伸びたイタリアンパセリでした。

福岡県PTA連合会機関誌/平成30年7月号から「渋めのおやつ作りましょう/NO.86」
 ちょっと嫌な事がありました。このままの興奮状態だとろくなことを書けないと思うので、今回は夏休みに役立つおやつを紹介しますね。

 ぜんざいは作りますか。大好きだけど難しそうだからと敬遠していませんか。夏は冷たくして白玉団子に絡めると子どもたちも大好きです。漢字で書くと「善哉」喜び祝うって意味があります。

〈善哉(ぜんざい)〉
◇材料
小豆   1カップ
水    5カップ
砂糖   1・2カップ(少し減らしても)(もちろんもっと増やしても)
塩    ひとつまみ

 作り方です。まず小豆はたっぷりの水で2度ゆでこぼします。これでスッキリとした味に仕上がります。次に分量の水を入れ沸騰したら弱火にして小豆が柔らかくなるまでゆでます。小豆によってずいぶん違います。30分くらいで柔らかくなる場合も、1時間以上煮ても柔らかくならない場合もあります。指で簡単につぶれるくらいになったらお砂糖を2〜3回に分けて入れましょう。最後に塩ひとつまみ加えたら出来上がりです。

 簡単でしょ。小豆は水に浸さないでいきなり炊き始められますが、一晩水につけると理想的です。濃さは好みなので、濃すぎると思ったら水を加えて下さい。焦げそうになった時も、もちろん水を加えます。

 ではもう一品。くず粉を使った一品を作りましょう。本物のくず粉を使うのが理想ですが、子育て中の家庭には高価かなと思うので今回サツマイモのクズ(デンプン)を使いました。自然食品を置いているお店やネットで手に入ります。

(サツマイモデンプンのくず餅)
◇材料
サツマイモデンプン 50g
砂糖        30g
水       300cc

 作り方は材料を全て鍋に入れて良く混ぜながら中火にかけて鍋の底からしっかり混ぜます。透明になってからもさらに混ぜてから四角のバットなどに流し入れて氷水等で冷します。冷えて固まってから切り分けましょう。黒砂糖と水を同量合わせて少し煮詰めた黒蜜をかけても、またきな粉をかけるのもおいしいですよ。

 子どものおやつにはカロリーだけのものより、ビタミンやミネラル、食物繊維など少し機能のある食品を選びたいですね。

 手作りのお菓子は栄養素以上のなにかがあると思います。お母さんもお父さんもきっと大好きなおやつだと思います。

福岡県PTA連合会機関誌/平成29年5月号から「ごきげんなお母さんは宝です/NO.85」
 仕事帰りにある町のアンテナショップに寄りました。店員さんが2〜3人の小さなお店ですが野菜が新鮮で価格もお手軽なのです。やはり菜の花やフキノトウ、新キャベツなど春のお野菜が美味しそう。あれこれとカゴにいれてレジ前に・・・あれ?気のせいかしら。お店の女性からか不機嫌オーラがたちのぼっているような。案の定「ありがとうございます」の一言もなくおつりも投げ出すように渡されました。

 「私何をしたのかしら?もしかして大昔この人の恋人を奪ったり借金を踏み倒したりしたことが・・」一瞬、変な妄想をしてしまいました。仕事も終わりルンルン気分だったのに見知らぬ女性の態度のおかげで気分はいきなりどんよりです。

 歩き出して私は思いました。おそらく二度と会うこともない赤の他人の振る舞いにどうしてこんなに気分を左右されるのだろう。これが自分の家族だったら、ましてや自分のお母さんだったらどれほどでしょう。

 若い頃の自分を思い出します。身の程を考えず仕事を受け過ぎて、いつも寝不足で疲れていて笑顔の少ない母親でした。 

「お母さんどうしたの」とか「なんでそんなに機嫌が悪いのか」なんて聞くのは家族だってなかなか難しいことです。母親の気分次第でその家庭の雰囲気は決まってしまいます。もう少し早くそのことに気がつけば良かったと今ごろ反省していますが遅いですよね。

 今は夫と二人暮らしですができるだけ機嫌の良い妻でいようと思っています。予定がたくさんあり、焦って起きた朝に「おはよー」と言うところを「ただいまー」と間違ったことがあります。「どこから帰ったの?」と笑う夫「あの世から」と二人で大笑いしました。このジョークは繰り返し使っては朝から笑います。

 毎日上機嫌でいることは不可能です。かえってストレスが溜ります。いつも笑顔でいましょうなんて言えませんが、子どもをただただ不安がらせることのないように気をつけましょう。

 「お母さんちょっと今日は疲れているの」「今日は偉い人から叱られたのよね」とか事実を伝えて下さい。これは決して愚痴ではないです。誰の言葉かは忘れましたが「愚痴を言うのと弱音をはくのは違う」らしいです。ダラダラと愚痴を言うのはイヤですが、家族にくらい弱音をはいても良いではありませんか。

 そして元気な日はスペシャルに面白いお母さんでいて下さい。